手には人々の願いをかなえ吉祥・福徳をもたらす宝珠をのせており、天女の衣が風をはらんでなびく様子は、今まさに舞い降りたかのようです。
東北地方の復興を願う本展では、この吉祥天女像を特別に全会期にわたって公開します。
主な作品
重要文化財 四天王立像[平安時代]
主な作品 重要文化財 大般若経[魚養経/奈良時代] 法相曼荼羅図[鎌倉時代] 玄奘三蔵十六善神図[南北朝時代]
薬師寺伽藍の東側、東院堂に安置される国宝聖観世音菩薩立像(飛鳥〜奈良時代)は、金堂薬師三尊像とともに薬師寺を代表する仏像です。 この世に現れて人々に寄り添う身近な仏であり、優しい微笑をたたえる聖観世音菩薩立像は、これからも人々の祈りを受けとめてくれることでしょう。 薬師寺から東北へ。より良い未来を祈って、その美しい姿を私たちの前に現します。
本展シンボルロゴ
ロゴに込めたメッセージ
2011年3月11日…
おそらくこの日を日本人が忘れる事は未来永劫、無いでしょう。
奈良・薬師寺の国宝『吉祥天女』が、東北に来るという事は運命です。 古の頃から、この国の人々が、敬い、救いを求め、天に昇った幾多の人々の魂を供養するために、長い時間の中、数えきれない寂しさ・悲しさを、天女に託してきたのだろうと思うのです。 古代の人々が、この一枚の絵にどれだけ助けられ、どれだけ救われたか…。
風になびく羽衣、ふくよかな表情、色とりどりの花のように咲いた天女の表情に、しばし心を映してみて下さい。 東北の心に早く平安が来らん事を祈り、この文様を送ります。
石井竜也氏プロフィール
1959年生まれ。高校卒業後、画家を目指し上京。 1985年米米CLUBとしてデビュー。楽曲の作詞・作曲、ステージセット、コスチュームなどバンドの総合的なプロデュースを手掛け、「浪漫飛行」、「君がいるだけで」など数々のヒット曲をリリースした。 米同時多発テロをきっかけにスタートしたチャリティープロジェクト「GROUND ANGEL」では、2011年3月11日の東日本大震災以降、被災者への支援を主軸とし、ライブ、アートイベント等の活動に取り組んでいる。